はじめは人が習慣を作り、それから習慣が人を作る。
イングランドの詩人、ジョン・ドライデンの言葉ですが、
われわれは良くも悪くも習慣に支配される「習慣の生き物」です。
つまり、もしあなたが人生を改善していきたいと思うのなら、
まずは何を差し置いても日々の習慣を改善していく必要があります。
「習慣をデザインする」ことは、すなわち
「人生をデザインする」ことに他ならないからです。
悪い習慣は、あなたの人生を破滅させ、
良い習慣は、あなたを偉大さに導いてくれます。
例えば、家に帰るとダラダラスマホやテレビに時間を奪われ、休日はベットの上で過ごす日々…そんな毎日を繰り返している限り、私たちは自分を向上させたり、何か新しいことにチャレンジするための時間やエネルギーを捻出することは、ほぼ不可能だと思います。
(逆に、このムダにしている時間を有意義な時間に変える習慣を身につければ、あなたの今後の人生は、一体どれほど意味あるものになるでしょうか?)
要するに習慣とは、われわれを偉大さに導いてくれる人類史上最強のメカニズムなのですが
一歩その使い方を間違えれば、われわれの人生をあっという間に消費させ、破滅に導きまかねない”諸刃の剣”なわけです。
たとえ「そもそも何かを始めるやる気さえない」という人でも、
その思考や意識そのものが、これまでの習慣によって作られたものですので、自由自在に習慣を作り出すことさえできるようになれば、
やる気もエネルギーも意のままに操ることができるようになります。
今回はそんな習慣を自由自在に作り出し、自らの手で人生をデザインしていける
「最強の習慣化メカニズム」との呼び声が高い
「if-thenプランニング(条件型計画)」という方法をご紹介したいと思います。
この方法は、場合によっては習慣成功率(定着率)99%という
とんでもない成果が期待できる最高の習慣方法です。
(逆に、この「if-thenプランニング」で習慣化できなければ、自らの意思で習慣を確立することは不可能だと思った方がいいかもしれません)
今日は、そんな「if-thenプランニング」の有効性とその理由、そして「if-thenプランニング」を活用していくコツについてまとめていこうかと思います。
「if-thenプランニング」の提唱者
ハイディ・グラント博士は、if-thenプランニングについてこう述べています。
すぐに教えることができて、圧倒的な効果をもたらす簡単なテクニック
それほど、即効性とがあり、効果的な方法なので、
是非とも活用して習慣を自在に作れるようになってほしいと思います。
それでは、いって参りましょう!
if-thenプランニングとは
「if-thenプランニング」とは
「もし(if)〜したら、その時(then)〜する。」
という条件付き計画を設定するだけの非常にシンプルな方法です。
この方法は「もしAしたら、Bする」という枠組みさえ決めてしまえば、
あとは自動的に条件(計画)に沿って習慣化していくだけなので、
極めて簡単かつ効果的な習慣方法なのです。
実は「if-thenプランニング」は、日常生活の中で誰もが、少なからず活用している方法です。
例えば、
- ”もし”お風呂に入るなら、”その時”歯磨きも一緒に済ませる
- ”もし”布団に入る前には、”その時”明日の準備をある程度しておく
- ”もし”夜ご飯を食べ終わったら、”その時”食器を台所に持って行く
- etc
このような条件(if)とその時の行動(then)が明確になっているものもありますが、
その他の多くの習慣にも、無意識のうちに「if-thenプランニング」の仕組みが使われていることは、決して珍しくないのです。
例えば、
・(もし)家に帰ったら、スイッチが切れてダラダラと過ごしてしまう
(逆に、家から一歩出ると外行きモードになって、ハキハキと行動できる人も多いでしょう)
・(もし)スマホを開くと、(その時)ついついYouTubeやTwitterのアプリを開いてしまう
といった多くの人にありがちな習慣を取ってみても、実はこれらの習慣には「if-thenプランニング」の仕組みが自然と盛り込まれている場合が多いです。
(もし、あなたがこのような習慣を改善したいと思っているのなら、「if-thenプランニング」は非常に役立つノウハウになること間違いなしです)
おそらくあなたの日常にも、無意識のうちに「Aしたら、次はBする」という習慣が形成されている可能性は高く、
いい習慣、悪い習慣含めて、この「if-thenプランニング」の形を取っているものは決して珍しくありません。
というのも、この「if-thenプランニング」は
ただ単に習慣化しようとするよりも
数倍以上の効力を発揮するからです。
(私が知っている例だけでも、勉強量が2倍になった受験生、作業の習慣化が70%を超えて定着した研究などなど、探せばあなたの身の回りにもいくらでもあるでしょう)
平均的には2倍〜3倍ほど習慣が定着しやすくなりますが、
場合によっては、もっと強力な効力を発揮する場合があります。
この「if-thenプランニング」の有効性を示す指標の一つとして、習慣定着との相関性を調べるという方法があります。
相関性(相関関係)とは、XとYという二つの関係性の相関を表したものを以下のように、
- 1(XとYは完全に相関し、一致した)
- -1(XとYは逆効果である)
- 0(全く相関がなく、効果がない)
と3つに分類すると、相関が1に近づくほど効果があり、
-1に近づくほど効果がないと言えます。(中高の数学で習いましたね)
ただ、相関が1とか、−1といった完全相関は、現実にはほとんどありませんので、
実際には、
- 0.3を超えれば優秀
- 0.5を超えれば超優秀!絶対やるべき!
という基準が言われている中、
「if-thenプランニング」の効果量(習慣づくりとの相関関係)は、
なんと0.65(つまり「if-thenプランニング」は65%の確率で習慣化に役立つ)に達すると言われています。
さらに、気分の改善や性格習慣(性格や人格も生まれつきのものでは決してなく、これまで長きに渡り、世の中や周りの人々から影響を受け構築された価値観や思考によって形成されています)においては、
効果量0.99!というとんでもない数字を叩き出しています。
(つまり、性格を変えたり、ちょっとしたことで落ち込まないようにしよう!という習慣を作り場合、「if-thenプランニング」は99%の確率で、何かしらの効果を発揮するということです!)
- 緊張して頭が混乱した時は、深呼吸を10回する
- イラっと感じた時は、空を30秒ほど眺める
- 漠然とした悩みや不安を感じて気分が下がりそうになったら、その場で腕立て伏せ10回する
- 苦手な人に話しかけなければならない時は、軽くストレッチしてから話しかける
などなど、ネガティブな気分や場面になったら、〇〇する!というのをあらかじめ決めておけば、
その〇〇することで、ネガティブな気持ちが吹っ飛んだり、改善されたり、〇〇している間に精神的にリラックスして落ちつけたりするので、
ほぼ100%精神は安定すると思います。(少なくとも、マシには絶対なります)
そして、「if-thenプランニング」は、精神的な習慣のみならず、
ありとあらゆる習慣形成に役立ちます。
(先にも言いましたが、効果量(相関関係)0.5越えれば超優秀という中、「if-thenプランニング」は効果量0.65を誇るほど有効な方法なのですから)
具体的な使用例としては、
- お風呂から上がったら、ブログを書く
- 朝起きたら、スマホの電源を切って勉強する
- 会社から帰ったら、そのまま着替えてランニングに行く
- 暇な時間を見つけたら、とりあえず本を開く
- デザートが食べたくなったら、その場でスクワッド10回する
- 友達に飲みに誘われたら、断って仕事を進める
- 夜ご飯を食べたら、10分だけ瞑想する
- 意味もなくスマホを触りそうになったら、深呼吸を3回する
- etc
あなたが身に付けたい習慣、スキルによって、自由自在に習慣づけていくことができます。
「if-thenプランニング」は、「AしたらBする」というパッケージをあらかじめ作り、
後はそのルール(計画)に従って、行動していくだけなので、
意志が必要ありません。
これは、何かを継続し、習慣づける上で多くの人が頭を悩ませる
”やる気が続かなくて””意志が弱くて”続かないという
最大の困難を、そもそも乗り越える必要がないということです。
「if-thenプランニング」のルールに則って、決まった行動パターンを繰り返せば、
勝手に習慣化され、どんなに意志が弱い人や、やる気が出ない人でも続けられるのです。
これほど素晴らしい習慣テクニックを使わない手があるでしょうか?
(もし、あなたが「if-thenプランニング」の有効性を認識しながら、取り組まないのであれば、それはあなたは「習慣化なんてしたくない」と言っているに等しいのです)
なぜif-thenプランニングは効果的なのか
「それほどまでに効果のある習慣方法があるなんて、にわかには信じがたい」と思われるかもしれませんが、「if-thenプランニング」は次の3つの理由でオススメできます。
- タイミングを逃さない
- 意志の力が不要
- 悪い習慣にこそ、効果的
タイミングを逃さない
まず、「if-thenプランニング」最大の特徴は、あらかじめ
- 何かを始めるタイミング
- 何かをやめるタイミング
を明確に設定しておく点です。
「Aしたら、Bする」
しかも、”Aは日常的に頻繁な出来事”とすることで、
Aが発生するたびに「あっ、今だ!」という分かりやすいタイミングが訪れます。
多くの人が何かを始め、そして続けることができない
最大の理由の一つは、「先延ばし」にしてしまうからです。
なかなか取り掛かるきっかけが掴めず、
つまり、なかなかやる気が出ないがために、
「始めるタイミング」が分からなくなってしまう。
そして、そのまま
- 1時間後にやろう
- 午後から頑張ろう
- ご飯食べたらやろう
- 家に帰ったら始めるぞ
- おふろ入って1回気分転換してからやろう
- ちょっとだけ仮眠を取ってからの方が作業効率はいいはず
ダラダラと先延ばしにして結局、
「あぁ、今からやっても無理だから”明日から”頑張ろう」と言って習慣化しない。
逆に言えば、われわれは始めてさえしまえば、
なんだかんだ作業は続けられるし、集中して取り組めます。
(何事も始める時にこそ、最も多くのエネルギーを消費するのです)
だからこそ、「if-thenプランニング」を活用して
「お風呂に入ったら、机に座って20分読書をする」と決めておけば、
お風呂から上がるたびに「”今”読書をする時だな」と分かるので、
難なく始めることができ、スタートせえ切ることができれば、
習慣化は、それほど難しくないのです。
意志の力が不要
もう一つ「if-thenプランニング」が習慣化に最も有効な理由として、
始めるタイミングだけでなく、
やるべきこと、やるべき量をあらかじめ具体的に設定するため、
意志の力を必要とせず、余計なことを考えずにすみます。
- 何をすればいいんだろう
- どうやって始めればいいんだろう
- 今始めたら終わるまでにどれくらい時間がかかるのか
- これをやっても何か意味があるのか
- もっと効率の良い方法があるのではないか
- 今日はキリが悪いし、明日から始めた方がいいかも
- etc
われわれの頭の中に次々と現れる不安や心配、ネガティブな思考に惑わされることなく、
「Aしたら、Bする」という基本的なルールに則って、
「Aが起こったら、何も考えずにさっさとBに取り掛かる」ことができます。
始めるタイミング、やりべき内容、やるべき量を全て
”事前に”計画し、脳にプログラミングしておくことで、
最初は多少意識的な行動を要するかもしれませんが、
やがてすぐに無意識に「if-thenプランニング」のルールに従って行動し、
意識の力もやる気などは不要で、精神的な負担がありません。
条件(A)が起こってしまいさえすれば、
習慣化したい行動(B)を
「始めてから、実行して、やり切るまで」
何も考えず、ただあらかじめ計画された内容に沿って行えばいい
(まるで外部から強制的な力が働いているかのように!)
ので、「if-thenプランニング」を使えば習慣化の難易度はグッと下がるでしょう。
悪い習慣にこそ、効果的
「if-thenプランニング」はいい習慣を作る際にも効果を発揮しますが、
「悪い習慣をやめる」ことを習慣化するときも、非常に効果的で、
実は、習慣を自由にデザインして、人生を変えていこうと思ったら、
この「悪い習慣をいかに改善できるか」が最も重要となってきます。
例えば、「ダイエットするために運動を習慣化したい」と思っていても、運動を頑張った後に「自分へのご褒美!」と言って、お菓子やジュースを好きなだけ食べてしまえば意味はないし、
毎日の勉強を習慣化するぞと「if-thenプランニング」で勉強に励む受験生も、スマホやテレビで時間を浪費してしまうと、その悪い習慣が、徐々にあなたのエネルギーを奪い、勉強するやる気を下げてしまいます。
このように悪い習慣は、目標達成(ダイエットや受験)の妨げになるばかりか、
いい習慣を打ち消し、悪い習慣に変えてしまうケースすらあり得ます。
だから、「if-thenプランニング」でまず習慣化する時は、
「悪い習慣→いい習慣」にする計画を立てましょう。
例えば
- スマホをかまいそうになったら、5分間読書をする
- お菓子が食べたくなったら、その場で腹筋10回する
- テレビやゲームをダラダラしそうになったら、10分間瞑想する
など、あなたが日頃から改善したい習慣を洗い出し、
時間を無駄にしそうになったり、目標とは正反対のことをしそうになったら、
すかさず「if-thenプランニング」で条件付けし、
生産性のある習慣に変えてしまいましょう。
人生がなかなか上手くいかない人のほとんどは、悪い習慣に日々を支配されているからであり、
その悪い習慣を改善し、他に使えるエネルギー(このエネルギーを使っていい習慣を作っていく)を生み出すことが、人生をデザインする最初の一歩なのです。
さらに、先ほども言いましたが、「if-thenプランニング」は、
気分の改善や思考、性格の習慣化には、99%の確率で有効だと立証されているため、
ネガティブな性格や落ち込んだ気分を改善する時にこそ、
「if-thenプランニング」は効果を発揮するのです。
- 物事を現実以上に悪く考えそうになったら、深呼吸する
- 「自分にはできない」と自己卑下しそうになったら、軽くストレッチをする
- なんかやる気が出ないな〜と感じた時は、30秒ほど自然を眺める
- 誰かや何かにイラっとした時は、自分の好きな人やものについて考える
など、「自分は今ネガティブなことを考えている(感じている)」と客観的に理解するだけでも、その思考はたちまち消えてしまいますし、
「if-thenプランニング」で気分を改善するルーティーンを作っておけば、マイナスな気分や思考の影響を受けることはほとんどなくなるでしょう。
(ネガティブな思考や性格、そしてネガティブな習慣が、私たちのエネルギーのほとんどを奪い、われわれの習慣化を邪魔してしまうので、これらを改善さえできれば、はるかに習慣化への道は容易になるでしょう)
思考や性格の習慣化は、単に行動を習慣化するよりもはるかに難しいと言われていますが、
だからこそ、「if-thenプランニング」で間違った思考や性格を改善していくことが、
正しい行動の習慣化、そして正しい思考、正しい人生を導くのです。
if-thenプランニングのコツ
最後に「if-thenプランニング」をより良く活用していくためのコツをご紹介したいと思います。
- 具体的な目標・条件を
- 小さなハードルから始める
- 1個ずつ習慣化していく
- 「続ける方法」ではなく「続かない原因」を探す
具体的な目標・条件を
「if-thenプランニング」を設定する上で、重要なのは
具体的な数値やシチュエーションを決定することです。
- 会社から帰ったら、そのまま着替えて2キロほどランニングする
- 暇な時間を見つけたら、とりあえず5分だけ本を開く
- デザートが食べたくなったら、その場でスクワッド10回する
- 8時になったら、10分だけ瞑想する
会社から帰ったら(場所)
2キロほど、5分だけなど…(数値)
デザートが食べたくなったら(状況)
8時になったら(時間)
このように「Aしたら、Bする」のAには場所や時間などの具体的状況を入れ、
Bには具体的な数値目標を決めることをオススメします。
そして、やはり何より重要なのは
”毎日、あるいは頻繁に起こりうる設定・状況”を
A(条件)にするということです。
自ら意図的に状況を作り出さずとも、自然と何かに取り掛かるタイミングが現れる(そして、はっきりと「今だ!」という始めるタイミングが分かりやすい状況)を条件として設定できさえすれば、「if-thenプランニング」はかなり有効に機能するでしょう。
小さなハードルから習慣化
多くの人が習慣化できない原因は「やる気なんて続かないもの」だということを理解していないからです。
(多くの場合、「よしっ!やってやる!」というやる気に満ち溢れた状態を”基準”にして目標を設定し、そのやる気がいつまでも継続されるという前提にあるので、やる気が切れた時にその高いハードルを乗り切れないのです)
「if-thenプランニング」を利用すれば、意志の力はほとんどいらないと言っても、
あまりに無茶なハードル(目標・ノルマ)を課せられれば、続きません。
例えば
- 家に帰ったら、毎日20キロランニングする
- お風呂から上がったら、すぐさま5時間勉強する
こんな目標設定をしてしまえば、「if-thenプランニング」の効果で始めることはできるかもしれませんが、まず続きません。習慣を完走するまでに心が折れてしまいます。
じゃあ、「2キロのランニング」「1時間の勉強」くらいのハードルにすれば良いかと聞かれると、多分これでも高すぎます。
(個人差にもよりますが、全く運動習慣・勉強習慣のない人からすればこのノルマですらキツすぎるのです)
最初に課すハードル(目標設定)は、極限まで低く設定しましょう。
具体的には「今日一日朝から晩まで忙しくて、嫌なことが山ほどあり、もう気力も体力も残ってない」という状態でも”これならできるよね?”というハードルを設定すべきです。
- 家から帰ったら、20歩ぐらい歩く(ランニングはしなくてもいい)
- お風呂から上がったら、1分だけ教科書を開く
これくらいのハードルで始めてもなんら構わないのです。最悪なのは「続かないこと」だけなので、続いて習慣になりさえすれば、そこからいくらでもハードルを上げれるわけで、まずは「絶対に」続けられるくらいのハードルを「if-thenプランニング」で設定しましょう。
1個ずつ習慣化していく
ハードルを極限まで下げて「小さな習慣」から定着させていくと同時に、絶対に気をつけなければならないのが「一度に何個も習慣化しない」ということです。
たとえそれがちょっとした習慣だったとしても習慣化には、かなりのエネルギーを要します。だから、習慣化していくのは”一度に一個ずつ”ということを肝に命じてください。
勉強、健康、仕事、社会、精神、人間関係など、様々な面で改善したい点、習慣化して大きく飛躍したい点が数多くあるかと思いますが、絶対に焦ってはいけないのです。
まずは「家から帰ったら、ランニングする」習慣を定着させ、健康的な毎日を習慣化する。そして、3週間以上続いたら(一般的に習慣が形成されるのには、3週間ほどかかると言われています)、
次に「風呂上がりの読書を習慣にする」という感じに一個ずつ、これでもか!というくらい確実に習慣化していってください。
(あくまで習慣化には最低3週間かかるという話で、余裕を持って1ヶ月、2ヶ月と一つの習慣だけに集中していっても全然大丈夫です。習慣をもう一つ欲張って手に入れるメリットよりも、途中で続かなくなるデメリットの方がはるかに大きいのですから)
習慣化できないほとんどの人は、ハードル(目標設定)を上げすぎたり、一度に何個もハードルを乗り越えようとしたりして、どこかで習慣が途切れ、そのたった1回の中断で「もういいや」と習慣化を諦めてしまうのです。
だからまず、習慣化する際には”途中で続かなくなるという最悪の事態さえ免れればオールオッケー”という精神で、些細な習慣をチビチビと続けている自分を最大限に褒めて上げましょう。
最初のうちは、「お風呂から上がったら5分間だけ読書する」とか「家から帰ったら5分だけ外を歩く(ランニングではない)」とか、やる気に満ちて習慣化を目指す人にとっては、いささか退屈で「もっとやりたい!」となるかもしれませんが、「今日はよく頑張った!後は好きなだけ自由時間を謳歌していいよ!」と小さなノルマを達成した自分を認めるのです。
「続ける方法」ではなく「続かない原因」を探す
なんども言いますが、私たちが習慣化できないのは「習慣化する方法がない」が分からないのではなく、あなたの毎日には「習慣化を邪魔し、エネルギーを奪う原因」が数多く存在するからなのです。
先にも言いましたが、習慣を作り上げるには大きなエネルギーが必要で、やる気、体力、精神力などあなたの持つエネルギーの多くを習慣化に使わなければ、習慣は定着しません。
(逆に言えば、どんな人であっても自分の持つエネルギーを十分に習慣化に当てることさえできれば、ほぼ100%習慣化できるのです)
- スマホやテレビをなんとなく見るうちに目や脳が疲れる
- 仕事で一日中体力と精神力を削られる
- 嫌なことが続いてやる気がガクンと下がる
- 人間関係のトラブルに頭を悩ませる
- 過去のことや将来の不安を考え、苦悩する
- 起床時間・睡眠時間がバラバラで十分にエネルギーを回復できない
- etc
これらの生活習慣や、日々の出来事は、あなたからエネルギーを奪い、習慣化を妨げる一番の要因です。だから、一時的にやる気が出て「ウオォ!やるぞー!」と息巻く人であっても、こんな日々の中に1週間も身を置き続ければやる気はスッカラカンになってしまうのです。
そして、「if-thenプランニング」は、あくまで「続ける方法」であり、この方法がどんなに優れていたとしても、それだけでは十分ではないのです。
(if-thenプランニングを活用してもなかなか習慣化できないという人は、日常に「続かない原因」や「やる気を低下させる原因」が多すぎて、普通に習慣化する場合に比べてはるかに意志の力を要求しないif-thenプランニングでさえ、続けることができないほどエネルギーが枯渇しているからなのです)
「if-thenプランニング」で習慣を続けるリズムを作るとともに、習慣化を妨げる要因やあなたのエネルギーを奪う元凶を排除し、可能な限り「続かない原因」をなくすのです。
それさえできれば、あなたは意のままに習慣をデザインし、人生を自らの手で作り上げていくことができるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
「if-thenプランニング」とは、極めて効果的で現在ある習慣化方法の中でも、ずば抜けて有効な手段だと言えます。
もし、あなたが習慣の力を使って、人生を改善していきたいと考えるのなら、これほど簡単で効果的な方法もないでしょう。
ただ、習慣化を目指すあなたに一つだけお伝えしておきたいことがあります。
それは習慣化において、最も大変なのは「始めること」だということです。
多くの人が続かない続かないと嘆きますが、彼らの多くはそもそも
「自分は三日坊主だ」という言い訳をして始めようとしないのです。
「したい人、10000人。
始める人、100人。
続ける人、1人。」
という名言にもありますが、習慣化したいと思うだけの人は、世の中に山ほどいますが、何かを始めてみたり、ましてや続けることができる人はほとんどいません。(だからこそ、習慣化に成功すれば人生は大きく変わるのです)
今回も「if-thenプランニング」という素晴らしい方法をあなたは知りましたが、実際に「if-thenプランニング」を使って習慣化に取り組む人は、決して多くはないでしょう。
(「if-thenプランニング」は始めさえすれば、かなりの確率で習慣化できる画期的な方法だというのに!)
ぜひ、あなたが”今日”から何かしらの条件付け(AしたらBする)を設定し、習慣化に取り組むことを祈っています。そして、いずれは自由自在に習慣を作り出し、人生を思うがままに歩んでいけるようんあることを願っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。